小児歯科

小児歯科について

「子どもの歯はいずれ永久歯に生え変わるから、むし歯のまま放っておいても大丈夫」なんて思っていませんか?子どものむし歯は、お子さんの将来の生活に大きく影響します。乳歯が健全か、正しく治療されているかは、後の永久歯の歯列だけでなく、大事な成長期の身体の発育にまで大きく関係しています。
乳歯はどうせ生え変わるものというのは間違いです。お子さんの正常な成長発育には欠かせないものです。お子さんのお口の中が、ずっと健康でいられることを第一に考え、お口の健康管理を行います。

お子さんがむし歯になる原因

新生児のお口の中にはむし歯菌は存在しておらず、ほとんどの場合家族から感染します。3歳以下のお子さんの場合、感染源の8割は母親というデータもありますが、ただでさえ子育ての苦労を担いがちな女性に責任を負わせるのは酷ですから、ぜひ家族全員の問題としてむし歯の治療や予防に取り組みましょう。
お子さんへの感染は過度なスキンシップや食器の使いまわしなどで起こりますから、注意すべきポイントは家族全員にあります。また、お子さんの生活習慣によってもむし歯のリスクは上下します。
以下のような点があればむし歯リスクが高いので、ぜひ当クリニックにご相談ください。

  • きちんとした歯磨きができておらず、磨き残しがある。
  • エナメル質が永久歯の半分程度しかない。
  • 食事やおやつをだらだら食べ続ける、ジュースをダラダラ飲み続ける。

乳歯の予防が必要な理由

子育ては日々大変ですから、「乳歯は生え変わるし、少しくらい管理が甘くても良いのでは?」と思われるのは無理もないことです。とはいえ、乳歯を自然な生え変わりの時期よりむし歯で早く失うと、永久歯の歯並びが乱れやすい弊害があります。乳歯は大人の歯より小さいので、その分エナメル質や象牙質が薄く、むし歯にかかりやすい特徴もあります。そのため、当クリニックと一緒にお子さんの大切な乳歯をむし歯から守っていきましょう。

ほめほめ作戦と週末みがき

どんな子でも、ほめられることが大好きです。仕上げ磨きの時に静かにできるようになったら、家族だけでなく、おじいちゃんやおばあちゃんに伝え、大げさにほめてもらいましょう。
近所のママ友達や先生など、周りの多くの人にほめてもらえれば効果絶大です。ほめ言葉のシャワーを浴びせてください。
また、週末にしっかりみがくことも有効です。最初は数秒でもみがけたらほめちぎり、おおげさに抱きしめてあげましょう。

歯磨き嫌いのタイプ別アプローチ

  • 歯ブラシを見ただけで逃げる
    「歯磨き恐怖症」タイプ

    歯磨きは決して怖いものではないことを教え、歯磨きテクの腕をあげましょう。歯磨きをテーマにした楽しくてかわいいしつけ絵本やビデオなどを見せるのもよいでしょう。その後、歯ブラシを持たせて、絵本の登場人物や人形の歯を磨かせます。

  • 泣いて磨かせてくれない
    「号泣」タイプ

    とにかく手早く手短にすませること。「あっ、アンパンマン!」など、子どもが思わずハッとするようなことを言って、一瞬泣き止んだすきに、数秒でよいのでサッとみがいてしまいます。終わったら、少し大げさなくらいにほめちぎってあげてください。

  • 歯磨き剤の味を嫌がる
    「こだわり」タイプ

    歯磨き剤を別のタイプに切り替えてみましょう。歯科専用のものには、味や感触がマイルドなものが多くありますので、一度歯医者さんで試してみては?口がゆすげない場合は、研磨剤の入っていないフォーム(泡)状やジェルタイプがおすすめです。

  • 首をふって嫌がる
    「イヤイヤ」タイプ

    ふだんから抱っこやくすぐりっこ、髪をとかすなどで触れられていることに慣らし、ゴロゴロ芋虫、でんぐり返しなど、転がる遊びで姿勢の変化に対する恐怖を取り除きます。磨くときは子どもの頭を両手ではさみます。お父さんにちょっと足をおさえてもらうなど、協力してもらっても。落ち着くまではなるべく手早く済ませるようにしてください。

  • 歯ブラシを噛む
    「カミカミ」タイプ

    歯ブラシを噛んでしまったら、口をこじ開けて歯ブラシを取り出したり、叱りつけたりせず、子どもが口を開けるまでジーッと待ちましょう(その間、いつでも磨けるように構えていてください)。そして口を開けたすきにササッと磨いてしまい、「もう終わっちゃった!さすが!」とオーバーにほめてあげましょう。

  • 全身で抵抗して嫌がる
    「大暴れ」タイプ

    まずは磨き方などの問題がないかチェックしてください。時には1週間ほど歯磨きから離れ、毎日歯磨き絵本を読み聞かせたり、人形で歯磨きごっこをするなどして、お子さんの心をリセットしてあげましょう。それでもダメなら普段の歯磨きはあきらめ、歯磨きのかわりにフッ素スプレーを使ったり、食後のキシリトールタブレットなどで乗り切り、「週末みがき」をして様子をみてください。

当クリニックで行っている
予防治療

  • シーラント

    お子さんの奥歯は溝が深いため、歯垢がたまってむし歯ができやすい環境が形成されがちです。そのため、シーラントというプラスチックでリスクが高い部分を埋めることで、むし歯を予防しやすくなります。

  • フッ素塗布

    フッ素は歯質を強化し、むし歯をできにくくする「再石灰化」という作用を促進するので、高い予防効果を持っています。歯科医院では市販の歯磨き剤より高濃度のフッ素を扱えるのでぜひご利用ください。

定期検診の重要性

歯科医院は「治療」を行うだけでなく、むし歯や歯周病からお口の健康を守るための「予防」も提供しています。むし歯も歯周病も初期症状が無く、いつの間にか進行する疾患なので、症状に気づいたときにはそれなりに進行しています。一方、検診を受けていれば、発症を防げますし、発症しても軽度なうちに治療できるのでお口のダメージを最小限にできます。

予防歯科

小児歯科について
よくあるご質問

仕上げ磨きはいつまで親がしてあげるべきですか?​
8歳前後までしてあげてください。小さなお子さんは、神経の発達の関係で手先が器用に動かせません。神経がしっかり繋がってくるのが、8歳前後になりますので、お子さんのお口の健康を守るためにも、ご協力をお願いします。
また、仕上げ磨きを卒業するタイミングで、パームグリップ(ぐーにぎり)からペングリップ(えんぴつもち)に切り替えるよう癖づけてあげることも必要です。パームグリップ(ぐーにぎり)が癖になると、磨き残しができやすくなるため、こちらも徹底をお願いします。
子どもの歯はむし歯になっても痛くない?
子どもの歯(乳歯)のむし歯は大人の歯(永久歯)のむし歯よりも進行が早いのですが、痛みはあまり感じません。痛みを訴える頃にはむし歯がかなり進行していることが多く、むし歯が神経まで達していることもよくあります。定期的にチェックを受けましょう。
子どもの歯は生え変わるから、乳歯のむし歯は放っておいてもかまわない?
むし歯を放置することはよくありません。むし歯があるとうまく噛めなくなり、栄養を十分に摂ることができなくなります。神経まで達したむし歯を放置していると、歯の根っこに膿がたまり、後から生えてくる歯(後継永久歯)の形や質も影響を受けてしまいます。また、歯並びにも悪い影響を及ぼします。
ページトップへ